あれから一週間……毎日理緒の家に通って飯を作ってると姉さんが・・・

「ちょっと歩、偶には私達にもご飯作ってよ」

なんて事を言ってくる。

「兄貴がいるんだから兄貴に作ってもらえ」

「清隆さんは並の腕なのよ、あんたの方がうまいんだからお願い」

「断る、俺はこれからは理緒にだけ飯を作るんだ」

「なによ〜、彼女が出来たら姉はどうでもいいのね」

いじけてやがるよ、はぁ〜〜〜。

「何故そうなるんだ! ってか姉さんには兄貴がいるだろ」

「だって清隆さんは最近あんまりかまってくれないんだもん」

そーいえば兄貴が『まどかの攻撃と口撃が最近激しすぎる(涙)』なんてぼやいてたな(汗)

「それは姉さんがいじめてるからだろ」

「何? それは私が悪いって言うの?」

「この間、兄貴がぼやいてたぜ」

「清隆さんったら・・帰ってきたらお仕置きね」

なんて恐ろしいつぶやきが聞こえてきたのはこの際シカトして。

「とにかく俺は理緒に飯を作りに行くんだ」

「だったら理緒ちゃんを家に呼んだら?」

「ん、いいのか? 姉さん、呼んでも」

「もちろん、清隆さんと四人で食べましょ」

「分かった、呼んでくるついでに買い物もしてくる」

「いってらっしゃ〜い♪」

かなり上機嫌のようだ……そんなに食いたかったのか俺の作った飯……





「って言う訳なんだ、家に来てくれるか」

「いいんですか、おじゃましても?」

「俺は二人っきりでいちゃいちゃしたかったがな」

「はう〜」

真っ赤になってる…可愛い……まあ、俺も少しは赤くなったけど。

「まあ、買い物の間は二人っきりだからいちゃいちゃしような?」

耳元でささやいてやると顔といわず全身を真っ赤にして照れている。

「う〜・・・はずかしいな〜もう!」

「なんだ、理緒はいちゃいちゃしたくないのか?」

「それはしたいけど……人前はまだはずかしいよ」

「いいじゃないか、見たい奴には見せつけてやろうぜ」

人間変われば変わるもんだ昔なら恥ずかしくてこんな事絶対言えなかったのに……

「はぅぅぅぅ」

「そろそろ買い物にでも行くか、理緒?」

「はうう、でもでもやっぱりいちゃいちゃはしたいし……」

「理緒? そろそろ現実に戻って来い!」

「はい! え、え、え? やっぱりいちゃいちゃ?」

「いや、そこからいったん離れてくれ。買い物だ」

「ふえ? ああ、はい、お買い物ですね」

ん? ちょっと残念そうだなぁ。

「いちゃいちゃは二人っきりの時に……な?」

理緒は真っ赤な顔のままに・・・

「うん!」

そのまま俺たちは四人分の材料を買いマンションに帰ると

「おかえり、愛しき我が弟よ」

いきなり兄貴の顔だ……嫌な予感がする。

「寂しかったぞ、やはり一日一回はこうしないと」

言いながら抱きついてくる。

「ええい! 鬱陶しい! はなれろ、バカ兄貴!」

「ひ、ひどい……兄の愛の抱擁を『鬱陶しい』などと・・・・そんな奴はこうしてやる!」

今度は抱きついたまま押し倒そうとしてくる。

「やめんか! キショイ、っていうかそんなことは姉さんにしてやれ」

「まどかは最近遊んでくれないんだ、そのまま大人の雰囲気になってしまって……」

「それが普通だろ、それよりも今日は俺の彼女が来てるんだ、じっとしてろ」

「ん? 『彼女』だと、誰?」

「おひさしぶりです、清隆さん」

「おお〜理緒じゃないか、相変わらず爆裂ロリータか?」

瞬間、理緒の目つきが冷たくなり”バキッ!グシャッ!ゴギュン!”なんて痛そうな音がした(汗)

「いいかげんにしなさい、歩の彼女に対してなんて言い方なの」

姉さんだった、理緒はといえば俺の隣りでポカ〜ンとしている、あまりに一瞬で脳が対応しきれて無いみたいだな。

「いつもこうなんだ、あんまり気にしないように……な?」

「はあ、はい……」

「それよりも上がってくれ、支度するからリビングで二人の相手でもしながら待っててくれ」

「アレのですか……きついですね」

「まあ、わかるが……がんばれ」

言いながら俺はさっさとキッチンに向かう。

理緒は二人に連行されて時折『はうう〜』なんて悲鳴をあげている……なにされてんだか(汗)

「ほれ、飯が出来たぞ……兄貴取りに来い」

「ああ、今行く。じゃあまどか、後は頼んだぞ」

「ええ、もちろんよ」

なんかあやしい……

「おい兄貴、理緒になにしたんだ?」

「歩もきっと気に入る事さ」

なんて言ってサクサクと料理を運んでいく……ホントに何をしたんだ?

リビングに行くと兄貴以外誰もいない?

「おい、理緒はどこに行ったんだ」

「ふっふっふ、それは後でのお楽しみだ」

「なんでもいいが早くしてくれ、せっかくの料理が冷めちまう」

なんてことを言いあってると……

「おまたせ〜、あゆ君これを見てもまだ文句を言えるかな?」

ジャジャ〜ン!なんて効果音が聞こえてきそうな感じで理緒を引っ張り出す。

「……かわいい」

俺は呆然としながらそれしか言えなかった、ロリータ系のワンピース、全体的にピンク、と言うよりは桜色を基調とし柄は花柄、ツインテールの髪留めもいつものリボンではなく白い花の様な髪留めで、

本人には『幼女じゃない!』と怒られるだろうがより理緒のかわいらしさを強調した感じになっている。

「どうどう? あゆ君の彼女だからふんぱつしてみたけど」

「どうした、歩? 偉大なるお兄様とお姉様に感謝の一言も無しか?」

周りが何か言っているが何にも聞こえてないパソコンで言えばフリーズ状態、只今再起動中、エラーチェック開始……

たっぷり一分固まってようやく起動、改めて理緒を見ようとするがまともに見れない、あまりの可愛らしさにこっちがはずかしい。

「どうしたんですか、ひょっとして似合ってない?」

そんな不安げな顔で見るな、抱きしめたくなるだろ……そんな事を思いながら。

「い、いやそんなこと無いぞ、すっげー似合ってる、あんまりにも可愛すぎてボーっとしちまった」

なんてことを天敵二人の前で言ってしまった……どうやらまだ脳味噌は回復してないみたいだ。

「ふむ、我が弟はいたくお気に入りの様だな、この手の服は知り合いがたくさん持っているからまた分けてもらってこよう」

「そうね〜かわいい弟の麗しの姫君に似合うのを頼むわよ、アナタ」

なんてことを言ってくる……完全に楽しんでやがる……

「わ、私としては歩の嫌がることはあんまり……」

「いやじゃないぞ、むしろ二人っきりの時はお願いしたいくらいだ」

「聞いたか、まどか? 我らが将来の義理の妹のかわいい姿を独り占めにしたいそうだ、兄に服を調達させて」

「それはいけないわね、愛でる時は皆で楽しまないと」

クソ! この夫婦何とかできないか?

「とりあえず飯にしよう、理緒もお腹すいたろ」

俺の意見に賛同するかのようにぐぎゅるるる〜なんて音がした……兄貴の腹から

「なんだ、歩? だめだぞ、人のせいにしちゃ」

無言で頭をひっぱたく、はりせんで……

「だめよ歩、そんなに手加減しちゃ」

「いいのか? 全力で叩き伏せても」

「死なない程度にね」

「ん、わかった、今度からはそうする」

「やめてくれ、私の身が持たないから……」

そんな兄貴の言葉は無視して。

「理緒、こっちに座りな、とにかく飯にしよう」

「は、はい(すごい、清隆さんを完全に乗りこなしてる)」

三人が席に着いたころ部屋の隅っこで『の』の字を書いている兄貴が

「ちくしょう、すんごい悪戯考えてやる」

なんて怖い事をつぶやいてる……姉さんにお仕置きしてもらわなきゃな

「おい兄貴、いいかげんにしないと料理が冷める、美味いものが食いたいから俺に作らせたんだろ」

「うむ、そうだったな、先に食事にしよう」

やっと飯の時間だ、スープは注いどかなくて良かった

席の位置としては右に理緒、正面に姉さん、右斜め前に兄貴、だ

そこからは普通だった、多少? からかわれたりもしたがさっきまでのいじめに近いような事は無い。

食事も終わり後片付けをする、『理緒が手伝おうか?』と聞いてきたがさすがにあの服のまま水仕事をさせる気にはなれない

なので兄貴に手伝わせる、意外にもこういったことはテキパキとこなす、その途中で……

「なあ歩、今お前幸せか?」

何時に無く真面目に聞いてくる、顔を見ても真剣そのものだ。

「どうしたんだよ、めずらしい」

「いいから真面目に答えてくれ」

「当然だろ、姉さんが居て兄貴も帰ってきて……何より理緒がそばに居てくれる、これ以上望む事は無いよ」

「そうか、なら良かった」

言った兄貴はほっとしたようななんとも言いがたい表情をした。

「なんだよ、兄貴はどうなんだ」

「俺か? 俺はもちろん幸せだよ。ただな、お前が未だに過去を引きずってるんじゃないかと思ってな」

「もちろん全部を振り切れたわけじゃないさ、ただ前よりは楽に考えれるようになったな」

「あの子のおかげか?」

「まあな」

言い終わって、ふと兄貴を見ると邪悪な顔でニタァ〜っと笑っている……しまった。

「そうか、そうか……お〜い!まどか、理緒、歩がなあ……」

どす!!ばき!!ごしゃ!!!!

兄貴を叩きのめして黙らせる

「な〜に〜? 呼んだ?」

「なんでもない、気にしないでくれ」

「げほっげほ! あ、歩、いくら恥ずかしいからってやりすぎだぞ?」

「わかっててやるほうが悪い」

「まあいい、それよりもこれで最後か?」

「ああ、その皿を片付けて終わりだ」

兄貴に『何も言うな』と釘を刺してリビングに戻ると理緒が姉さんに……オモチャにされている

髪型を変えたり髪飾りを変えたりやりたい放題だな(汗)

「姉さん、あんまり理緒で遊ばないでくれ」

「いいじゃないのよ〜女の子にしかこうゆうこと出来ないんだから、それとも歩がさせてくれる?」

「兄貴がいるだろ、兄貴が!」

「あはは、清隆さんはダメ、へたすると私より綺麗になるから」

想像してしまった……弟としてはただキショイだけだった・・・

「そうか? キショイだけだと思うが・・・」

「あまい! 甘いわよ、あの中性的な顔に化粧なんてしたら……イヤァァァン!! 旦那がボーイズ?ラブな世界に盗られちゃう♪」

イヤと言いながらなんで語尾に音符が付いてるんだ?

「私をダシに変な世界を展開させるな……間違ってもそんなことは無い」

兄貴がウンザリした顔で文句を言うと

「あら、いいじゃない、楽しいんだから」

「私は楽しくない!」

その後も二人は何か言い合ってる、だめだ年長者に任せておけない。

「そこのバカ夫婦、じゃれあいは後にしてくれ、とりあえず理緒が固まってるから」

そこで……おそらく姉さんに遊ばれてる間からずっと停止してたのであろう理緒が再起動する。

「き、清隆さんってこんな人だったんですか?」

「ああ、理緒達の前じゃ違ったのか?」

「ええ、まあふざけた感じは一緒ですけどここまでは……」

「おそらくどっちも兄貴なんだろうな、状況によっての使い分けはあったにせよ」

そこでふと理緒を見ると

「しかしえらく……いじられたな、鏡見るか?」

「え? え? なに? どうなってるの?」

理緒を全身用の鏡の前に連れて行くと

「はう……なんとも表現しがたいね、なにかのコスプレかな」

「そんな感じだな、とりあえず化粧だけでも落としとけ」

「うん、洗顔ジェル借りるね」

「ああ、適当に使ってくれ」

化粧を落とし終えた理緒にこの後の事を聞いてみる

「今夜はどうするんだ、泊まってくか?」

「ハウ! ままままだはやいよそんなこと、でも興味が無いわけじゃ……」

何か勘違いさせたみたいだ、どうしよう。

「……でもまだ早い気が、でもでもやっぱり、いやでも……」

思考がループしてるな、止めてやるか?

「理緒、寝室は別だぞ」

「え? 別なの?」

なんかシュンとしてるな、少し遊んでみるか? 面白いかも……

「なんだよ、一緒の布団で寝たかったのか? それでもいいぞ」

「はうぅぅぅぅぅぅ!!!!! 歩のエッチィ!!」










こうして毎日が過ぎてゆく、過去から現在、現在から未来へ。



何気ない、もしかしたら無かったかもしれない、もっと凄惨だったかもしれない……



とてもとても大切な時間、だから俺は……守りたい。



仲間を、兄を、姉を、そしてなによりこの少女を……



それがエゴだろうがわがままだろうが自己満足だろうが関係ない。



この笑顔を守るためなら俺は……










おしまい。

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