ズッシャァァァァン!!!





雷雲が蠢く深夜、とあるマンションに雷が落ちる。

が、雷が落ちた周囲はおろか、直撃したはずの場所でさえ何事も無かったかのように一部の破損も無く、静まり返っている。

この夜、そこで何があったのか誰も――いや、何者も知らない。





エターナルダンス Ver.2 
〜永久(とわ)の傀儡(かいらい)〜





「美っ神さはぁ〜〜ん!!」

毎度恒例のように……いや、今回はなんの脈絡も無く美神に飛び掛る横島。

セクハラ、って言うか、一歩間違えれば強姦罪(?)でお縄になりそうな見事なダイヴである。

まぁ、ここで美神の脊髄反射のシバキが炸裂してモザイク無しではとても世間には公開できない物体Xに変態し、あと一撃でキーやん&サッちゃんにご対面♪ なところでおキヌちゃんのストップがかかる。――のだが、この日は違った。

なんと、横島のセクハラダイヴ(仮)が成功してしまったのだ!

完璧なまでの飛び込み抱きつきで横島の顔が美神の胸にすっぽりと収まってしまった。

「…………………………………」

横島硬直。

それもそうだろう、なにせ横島のセクハラダイヴ(仮)の成功率は99.999999999……%、この確立を弾き出したどこかの暇人から一言。『オールナインシステムとは言ったものね』・・・ヲイ

兎に角、横島自身成功する筈が無いとほぼ確信して飛び掛ったら、成功してしまったのだ。





横島は後悔する――この先使う筈だった一生分の幸運をここで使い切ってしまった事を。

横島は覚悟する――この後行なわれるであろう折檻という名の殺戮の宴に対して。

横島は堪能する――あと数秒の命、もしくは数十年生かさず殺されずシバかれるなら伝説のぱふぱふを心と魂と肉体に記憶させようと。





『むにゅん』とか、『ふにゅん』とか、『ぷにっ』とか、『むにむにっ』とか、兎に角あらゆる柔らかそうな擬音や効果音を脳内に響かせながらやあらかい感触を自身に刻み込みつつ、確定済みのヂャッジメンツタイムを待つ。
ちなみに、横島脳内最高裁は裁判官をはじめ弁護人まで満場一致で『ぎるてぃ♪』と16ビートで大合唱。(メロディはド○ド○)

しかし、十秒が経過しても三十秒が経過しても一向に変化が訪れない。
一分が経過した頃に恐る恐る顔を上げてこっそり相手の表情を確認してみる。
そこには――頬のみならず耳まで赤くし、妙に艶っぽい表情をしていながらその瞳は期待と不安を浮かべて潤んでいる顔を真っ赤に染めて口をパクパクさせている――ダレカガイマシタ。





再度横島硬直&脳内会議開始。

横島・ザファースト「あー、なんつーか、誰?」
横島・ザ・セカンド「美神さん、だろ? おそらく」
横島・ザ・サード 「いや、偽者だろ!?」
横島・ザ・フォース「ならここは、魔女裁判か?」
横島・ザ・フィフス「生と死を等価値にする気は無いぞ?」
横島・ザ・クラッシャー「つーか、OKサインだろ?」
横島’s残り「ナニィィィ?! Goサインだと!?」

なんでかこんな結果が出て会議終了。





「つまり……全て俺に任せるって事っすね!?」
その場でさらにガバチョッ、と飛び掛かり美神を押し倒した瞬間、寒気が前進を駆け巡る





本能が厳命する――後ろを振り返るな、と。

しかし

身体は

逆らった


ポシュトシュクリプチュ

ナニカが降臨寸前で私の脳がそれ以上の想像(創造?)を拒否w

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