彼が欲しい
――体も
――心も
――魂も
――全てを独占したい
女の欲が体を欲し
少女の想いが心を欲し
『絶対の一』の存在感が魂を欲し
それがら綯交ぜになって全てを欲した
それが、彼女の狂気の始まりだったのかもしれない
とある高名な登山家に『何故、山に登るのですか?』と聞いたらこう答えられた。『登りたいから』と。
とある高名な写真家に『何故、写真を撮るのですか?』と聞いたらこう答えられた。『撮りたいから』と。
とある高名な怪盗に『何故、ダイヴをするのですか?』と聞いたらこう答えられた。『本能だ』と。
……ま、そんな事は置いといて。
今現在、横島忠夫はロッククライミングの真っ最中だ。自分の勤め先である事務所の壁を、僅かな隙間に指をかけて、浴室目指してスイスイと登っていく。
「くっくっくっ、仕込みは完璧。美神さんも油断しておろうて」
ここ最近、横島は欲求不満だった。セクハラの類は美神の電光石火のシバキで未遂に終わり、仕事中は嬉し恥ずかしイヤン♪ なイベントも無く爆発寸前だったのだ。そこで彼は考えた『いかにして(セクハラの)対象の油断を誘い“ゴチソウ”にありつくか』を。
30分ほど悩んだ結果出た答えは『表面上おとなしくして油断を誘い相手が隙を見せたらガブリ大作戦ver1.35』……色んな意味で大丈夫だろうか?
「もうすぐ、もーすぐヘブンズドアが開くんじゃああああ!!!!!」
……今の彼には浴室の小さな窓が天国への入り口に見えるらしい。
窓の位置までたどり着いた横島は慎重に、かつ気付かれるか気付かれないかのギリギリ所まで窓を開けて一言。
「久々の美神さんの裸・・た・・・い・・・・・?」
横島は落ち着いて観察する。
足、肉付きは薄く『色っぽい』よりは『プニっぽい』
尻、やはり肉付きは薄く『興奮する』よりは『可愛い』
腰、『キュッとくびれた』より『細い』
胸、『ボンッ』じゃなくて『ポムッ』
髪、どー見ても『亜麻色』ではなく『金色』
最後に顔、コチラヲミテマスヨ?
「そんなとこで何してんのよ、ヨコシマ?」
固まった横島は答えられない
「ひょっとして覗き? そんな事しなくても見せてあげるのに」
前を隠しもせずトコトコと近づいて
「んもう、汚れてるじゃない」
そう言って頬の汚れを指で拭い
「……一緒に入る?」
照れ臭そうにそう言ったのは本当にタマモさんデスカ?
「ち、チョット待てぇ!? 何を言って……あ」
――唐突に何をほざきやがりますかこの狐さんと、ばたばた両手を振り回して気が付いた。俺、平らな壁に張り付いてる真っ最中じゃん。
GS二次創作
狐と少年
‡‡狐の猛攻‡‡
「このっっ阿呆!!!」
病室に美神の怒声が響きわたる。あの後、結局落っこちた横島は文珠を発動させようとするも到底間に合う訳もなく、地面に激突。
ピクピクしたまま5分以上経っても復活してこないあたりでようやくタマモが慌てて救急車を呼び、何事かと集まった事務所の面々にあっと言う間に覗きがバレて今に至る。
いつもならここらでおキヌがまあまあとブチ切れた美神をなだめに入るのだが、そんな気配は微塵もない。それ所か雪女も凍り付きそうな視線でにっこり微笑んでいらっしゃる。
その隣で弟子であり同僚でもある人狼の少女シロも微笑んでいる。ただし、爆発寸前の灼熱の微笑みだが。
そんな罵声と死線、もとい、視線に晒されながら最後に残った同僚に目を向けた。……笑顔だ、太陽が如くキラキラ明るい笑顔を振りまいている。
横島は悩む。
分からない、何故タマモは入浴を覗かれたにもかかわらず嬉しそうに笑顔を浮かべているのだろうか?
実際これまでの彼女の態度なら落下した所を止めとばかりに全霊力を込めた狐火をぶつけてきたはずなのに、それが無い所か救急車まで呼んでくれたのだ。混乱が混乱を呼び美神のお説教も耳に入っていない。
「聞いとんのか!! このアホタレが!?」
――聞いてませんでした、なんて言えない。殺られるから。
と、ここで違和感に気が付く。何故か妙に頭が重い、それに体の回復が遅い。
いつもならコレぐらいの傷はすぐさま回復するのだが妙に遅いのだ。そこで自分お体を確認して――――気絶しそうになった。
さっき見たばかりだなぁ、とかピヨピヨした思考で考えてると、黙ったままな俺を不審に思ったのか美神さんが声をかけてくる。
「どうしたのよ、タマモ?」
ポシュトシュクリプチュ
ま、ガラクタですし?
こんなモンでは?(ぉ
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